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【ファスティングで腸内環境が悪化?】626

2022年5月16日

静岡市葵区・駿河区・清水区のパーソナルトレーニング

パーソナルトレーナーの堀航大です。

 

 

今日は割とご好評いただいている食物繊維と腸内環境ネタを少し。

個人的には運動や感覚に対する所にも関心をお持ちいただける方が増えると良いな、とは思うのですが。。

やはりこの辺りは実際に動いたり試したりして、”体感”いただく必要がありそうですね。

まずは毎日の暮らしで身近な存在である『食』についての興味関心を深めていきましょう。

 

さて、今日は色々と賛否があるファスティング(断食)と腸内環境について。

ヘルスケアの専門家でも、断食推進派・否定派が混在しますが、どちらの主張が正しいのでしょうか?

 

僕は良い面も悪い面もこれまでに学ぶ機会を得ていますが、近頃の理解で『ファスティングをしては危険な人』が存在するという見解を持つ様になりました。

※そんなお話はまた別の機会に。

 

ファスティング、メリットもありますが今日はデメリットについて少しシェアしてみましょう。

 

色々とファスティングメソッドはありますが、多くの場合酵素ドリンクを用います。

期間中口に入れるものは水を中心とした水分と、酵素ドリンクのみというのが定番。

 

ここで影響を受ける可能性があるのが、腸内環境です。

 

通常僕たちの腸壁には『ムチン』と呼ばれる粘液状の物質で覆われています。

このムチンのおかげもあって悪質な細菌類や消化中の食物から腸の上皮にある細胞が、直接的に攻撃されることを防いでいます。

 

腸内の『物理的バリア機構』とでも呼びましょうか。

 

このムチン、実は腸内細菌の餌としての役割も有しています。

 

ムチンが積極的に分泌される為には、食品から食物繊維を摂取していること。

それを善玉菌が餌として活用し、腸の細胞がエネルギーとして用いる”短鎖脂肪酸”が生成されているということが条件だと言われています。

 

これが、外から食物が入ってこない状況に陥るとどうなるでしょうか。

腸内細菌の餌となる食物繊維の供給がストップしますので、取り残されているお腹の中の住人も飢餓状態に。。

 

ムチンは体が自ら生成できる『内因性食物繊維』としての役割も持っていまして、これもまた”腸内細菌の餌”として活用されている側面もあります。

 

ここまでのお話で何となく結果は想像できているかも知れませんが。。

 

ファスティングを行うことで腸内の善玉菌がムチンを食い荒らし、腸壁の”物理的バリア”が弱くなる可能性も。

 

結果として腸壁の細胞同士の結合が弱くなる可能性もありますし、リーキーガットや自己免疫疾患の症状悪化、そもそもの消化吸収機能にも悪影響が及ぶ恐れがありますね。

 

と、デメリットばかりを強調しましたが良い側面もあると僕は考えています。

個々によって体内の状況は異なるので一概には言えませんが、血糖の維持能力低下や鉄欠乏の症状などがなければ、短期的に行う分には問題ないかと。

(16〜24時間程度のプチファスティングなど)

 

断食で調子が良くなる方もいれば、悪くなる方もいる。

安全で効果的に行うためには、それなりに人体への理解が必要かも知れません。。