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貧血だと疲れやすく太りやすい?ー燃焼体質になるために大切なこと
2025年10月29日
こんにちは、静岡市葵区七間町のHori Kodaiパーソナルトレーニングジムです。
自制しようという意思はあるのに、甘いものやドカ食いがやめられない。
ずっと疲労感があり、休んでも疲れが取れないし集中力も続かない。
そんなお悩みをお持ちの方は少なくありません。
意志が弱い。怠けている。などの心無い言葉を周囲から投げかけられて、傷ついた経験もお有りかも知れません。
これらの問題は決してあなたの意思の弱さではなく、『貧血・鉄欠乏』といった体内の環境に起因する現象である可能性も考えられます。
貧血が身体に与える影響と、その改善方法について整理していきましょう。
目次
貧血、鉄欠乏で身体に起こること

細胞がはたらき、その役目を果たすためには、糖や酸素といったエネルギー源が必要です。
そしてそれらエネルギー源から、細胞がエネルギーを作り出し、活用する能力も必須となります。
貧血に陥り体内の鉄が不足すると、細胞に酸素を届ける能力が低下。
同時に”細胞がエネルギーを作り出す”際にも鉄が必要なので、燃料はあるのに燃焼不良に。
そんな合わせ技でエネルギー不足、代謝の低下に陥ってしまいます。
貧血、鉄欠乏の症状

・疲れやすい
・糖質欲求の高まり
・息切れ、動悸
・頭痛
・めまい、立ちくらみ
・冷え性
・爪が脆くなる
・髪がパサつく
・イライラしやすい
・傷の治りが遅い
・肉、魚など動物生タンパクの消化不良(胃液の酸性度低下)
などといった不快な症状に見舞われます。
止まらない糖質欲求はダイエットの成功を阻害しますし、全身のエネルギー不足は疲れやすさをはじめ、様々な慢性不調の原因となっている可能性が。
貧血の種類

貧血といっても原因や状態によって、いくつかの分類に分けられます。
赤血球成分の不足によるもの、血液を作る機能の低下によるもの、赤血球をターンオーバーするための破壊機能の亢進によるものなど、様々です。
1:鉄欠乏性貧血
体内に貯蔵されている鉄が欠乏し、骨髄での血液合成障害が起こり発生。
ヘモグロビン量が減少し、赤血球の酸素運搬能力が低下する。
2:巨赤芽球性貧血
ビタミンB12欠乏や葉酸欠乏といった栄養不足が原因となる。
赤血球が未熟な状態で産生され、大きさが適正値よりも大きくなっている状態。
正常な赤血球は小型で柔軟に毛細血管を通過するが、巨赤芽球ではその働きが不十分で、酸素運搬能力が低下する。
3:溶血性貧血
何らかの原因で、赤血球が寿命よりも早く壊れることにより起こる。
栄養不足により赤血球が未熟で壊れやすかったり、ランニングなど足の裏を頻回に接地する様なスポーツも原因となりやすい。
また遺伝性の先天性疾患や、自己免疫の異常が原因となることもある。
この他にも再生不良性貧血や腎性貧血など、病気が原因で起こる貧血もあります。
たかが貧血と侮らずに、まずは医療機関を受診することが大切です。
貧血はなぜ起こる?

はじめに、何らかの疾患が原因となって貧血が起こっているケースもあるため、体調の異変を感じたら医療機関の受診をおすすめします。
それら疾患による異常が認められなかった場合は、動物性タンパクなどの鉄やビタミンB12などが豊富な食品、造血に必要な栄養素の摂取不足が一因となっていると考えられます。
特に女性は月経による鉄の喪失量も加味する必要があり、鉄欠乏に陥りやすく、より注意が必要です。
鉄を摂っても貧血が改善しない場合

十分な鉄を食品やサプリメントから摂取しているにも関わらず、貧血が改善しないという方もいらっしゃいます。
そんな時は「鉄の吸収能力の低下」が起こる体質に陥っていないか、疑ってみましょう。
例えば肉や揚げ物などを食べると、胃がもたれたり消化不良が起こるという方は、胃液の酸性度が低下している可能性があります。
食品に含まれる鉄やビタミンB12の吸収には胃酸の役割が極めて重要ですので、消化の問題は貧血と関わりが深いのです。
炎症も鉄の吸収を阻害する

また腸内や全身の脂肪細胞で、慢性的に炎症が起こっていることがあります。
炎症が起こっていると、肝臓からヘプシジンというホルモンが盛んに分泌。
ヘプシジンは鉄の吸収を阻害する、鉄代謝を調節するホルモンです。
結果として貧血・鉄欠乏の原因となっている可能性があります。
また肥満や繰り返すダイエットにより、肝臓が脂肪肝に陥っているケースにも注意が必要です。
脂肪肝は肝細胞に炎症を起こし、ヘプシジンの分泌を促します。
貧血を改善して代謝を上げる方法

疲れやすさや太りやすさと関わりの深い、貧血・鉄欠乏。
これらを改善して代謝を上げ、燃焼体質になるためには
・鉄を含む食品を食べる
・鉄の吸収をサポートする食品も食べる
・炎症の改善
・肝機能の回復
・バランスの良い栄養摂取により、質の高い赤血球をつくる
といった具合に、食生活全般の見直しが必要となりますね。
痩せないからといって無理なダイエットを行なってしまうと、状況がさらに悪化して、より太りやすい体質となってしまう可能性が。
不用意な食事制限はお客様の体調を著しく悪化させ、その後の生活や人生を壊してしまう恐れがあると当ジムでは考え、より包括的な食事指導を行なっています。
代謝を上げて燃焼体質になり、今よりももっと快適な毎日を送りたいとお考えの方、まずはお気軽にご相談ください。
<参考文献>
本記事の内容は、以下の文献・公的資料を参考に作成しています。
* 厚生労働省. (2023). 日本人の食事摂取基準(2025年版).
― 鉄・ビタミンB12・葉酸などの栄養素の推奨摂取量および欠乏時の影響に関する公的指針。
* Beard, J. L., & Connor, J. R. (2003). Iron status and neural functioning. Annual Review of Nutrition, 23, 41–58.
― 鉄欠乏が疲労感・集中力・代謝に及ぼす影響をまとめた研究レビュー。
* Ganz, T. (2013). Systemic iron homeostasis. Physiological Reviews, 93(4), 1721–1741.
― 炎症やヘプシジンによる鉄吸収阻害のメカニズムを解説。
* Camaschella, C. (2015). Iron-deficiency anemia. New England Journal of Medicine, 372(19), 1832–1843.
― 鉄欠乏性貧血の原因・症状・治療に関する総説。
※本記事は、厚生労働省や医学専門誌などの信頼性の高い資料をもとに構成しています。内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を目的とするものではありません。体調に不安のある方は、必ず医療機関へご相談ください。
