頑固な”肩の痛み”を本当に解消する方法

こんにちは、パーソナルトレーナーの堀航大です!

「腕を挙げると気になる肩の痛み、一生このままなのかな…」と悩んでいませんか?
そんな方に向けて、”肩痛が慢性化する理由と解決方法”について記事を書きました。

・お医者さんには異常なしと言われたけれど痛みが消えない
・マッサージやストレッチで楽になるけれど繰り返し痛くなる
・安静にしていると良くなるけれど、運動をすると痛みがぶり返す

本記事で紹介することに注意すれば、こんなお悩みを解消して日々の辛さから解放されるかも!実際に、クライアントの皆さんもこの方法で慢性化した肩痛の改善を実現されています。
様々な原因が複雑に入り組んで起こりがちな肩の痛みは、なかなか厄介です。辛い肩痛の改善に関心がお有りの方は、じっくりと読み込んでみてくださいね!

肩痛にも
色々な種類があります

まずは医療機関でしっかりと診断

一口に肩痛と言っても、肩の痛みには色々な種類があります。それぞれに痛みの原因がありまして、改善するためのアプローチ方法も当然異なります。

①整形外科的に治療を施してもらう必要のある、お医者さん案件のもの。
②お医者さんの見解的には深刻度が低くて様子を見るレベルだけれども、痛みは確かにあって困っているもの。

後者②は我々トレーナーがお役に立てる可能性の高い症状だと思いますが、どちらにせよまずは医療機関でしっかりと診断していただくことをオススメします。その上で対応方法を検討していきましょう。

肩痛の名称

そんな肩痛ですが、名称がついているものを数えてもこんなにあります。

肩関節周囲炎
・・・いわゆる四十肩・五十肩
肩蜂下インピンジメント症候群
・・・腕を上げた時に肩の付け根が詰まる様に痛む症状
腱板炎
・・・インピンジメントが進行して炎症を伴ったもの
腱板損傷
・・・インピンジメントが進行して組織が損傷したもの
腱板断裂
・・・インピンジメントが進行して組織がとうとう断裂したもの
石灰性伳板炎(石灰沈着性伳板炎)
・・・方にカルシウムの結晶が沈着して痛みを生じる症状
などなど

状態によって、積極的に動かす訓練をした方が有効なものもありますし、まずは安静が必要なものもあります。

どちらにせよ、『動かした方が良い』と判断できる状態になってからは、ある程度共通した運動療法が有効なケースが多いと思われます。“なぜ痛みが出る様になったのか?”を突き止めて、肩関節への過剰なストレスがかからない『動きの修正』を行う必要が。

そんな取り組みが、ぶり返す痛みから脱出するためには必要不可欠です。それでは少し詳しく見ていきましょう。

肩痛の改善が
うまくいかない理由

肩関節は一方向の単純な関節ではない

肩痛を語る上でとっても大切な要素となるのが『肩関節は一方向の単純な関節ではない』ということです。

こちらの画像をご覧いただくとお解りの通り、膝や肘関節などと違って”複数のパーツ”と”複数の可動部”で構成されています。

※ブルーで選択した部分が肩関節を構成する骨
画像出典:ビジブル・ボディの提供による画像

可動部が多いということは、可動部を動かしたり安定させる為にはたらく筋肉も多岐にわたるということ。そして、それぞれが独立して動いているという訳ではなく、互いに影響し合って成立しているということです。

つまりそれだけトラブルも起こりやすく、改善する為には多角的な取り組みが必要不可欠となります。

痛みが生まれた根本的な問題を解決する

例えば、綿の生地を縫い合わせて作られたTeeシャツと、ニット素材で編まれたセーターを思い浮かべてみてください。

縫い目がほどけて穴が空いたTeeシャツは、また縫い合わせれば簡単に直すことができます。ところがセーターとなればそう簡単にはいきませんよね。ひとたび穴が開けば、そこからスルスルと毛糸が解けて修繕がどんどん難しくなります。直す為には当然、編み物の知識も必要になりますよね。

肩の関節も同様で、どこか一箇所にトラブルが起こると芋づる式に問題が連鎖していきます。

前述の通り肩痛にも様々な種類がありますが、それはトラブルが連鎖した結果として痛みが生じているということ。『痛いところに対処する』ということはとても大切ですが、一方で『痛みが生まれた根本的な問題』を解決しなければ、残念ながら何度も痛みはぶり返すことに。

穴の空いたセーターを縫い合わせて見かけ上は穴が埋められても、”ほころびの元を断つ”ことができなければまた穴は広がっていきますよね。それでは肩における『ほころびの元』とはどこなのか?少し掘り下げてみましょう。

二つの要素に注目です

パーツと可動部の調和をとる

前項でご覧いただいた通り、肩関節は様々なパーツと可動部で構成されていますよね。
もちろん全ての調和をとっていきたいのですが、その中でも二つの要素に着目していただきたいと思います。

①肩甲骨が適切に動くか?または固定できるか?
②二の腕の骨(上腕骨)が正しい位置で動かせているか?

と、いまいちイメージが湧かないですよね。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

①肩甲骨が適切に動くか?または固定できるか?

肩甲骨って当然直接見ることができませんし、普段どんな風に動いているかなんて想像することも無いですよね。そんな理由からも、私たちの肩甲骨って思った様に動かしたり”本来担っている機能”を果たすことが難しくなりがちです。

特に腕を持ち上げてバンザイをする様な動きにおいて、肩甲骨はこんな動き・役割を担っ
ています。

【動画:肩甲上腕リズム(背中側から)】

映像出典:ビジブル・ボディの提供による画像・映像

腕が持ち上がるにつれて、肩甲骨が内回りにスリップしていくのが分かりますね。
この機構がはたらくことによって、スムーズな肩の動きが実現されています。こんな動作だけでなく、腕が動く様々な場面で肩甲骨の動きが大きく関わっています。

また、これだけ自由に動く場所でもあるので”然るべき固定力”も併せて大切です。『動かなすぎ & 動きすぎ』またはポジションが悪かったり。

それぞれの”エラー”によって、肩関節のある部分にストレスが掛かっていきます。それが、肩痛を抱える皆さんが直接的に痛みを感じる、あの部分です。

②にの腕の骨(上腕骨)が正しい位置で動かせているか?

“あの部分”とは、にの腕の骨(上腕骨)と肩甲骨を繋いでいる関節そのもの。専門的には”肩甲上腕関節”なんて呼ばれています。またはその周辺にある筋肉や靭帯などの柔らかな組織です。(軟部組織なんて呼びます。)

<右肩を前から見たところ>
映像出典:ビジブル・ボディの提供による画像・映像

こちらの画像を見てもイメージしやすいと思いますが、浅いお皿の上にボールが乗っかる様な構造をしていてとても不安定。

肩って他の関節と比べて、脱臼癖がある方も意外と多くいらっしゃいますよね。そんな不安定性をカバーしているのが、その周辺にある靭帯や小さな筋肉たちです。肩甲骨からの影響や、ライフスタイル・スポーツなどによる影響からこれら周辺の組織にストレスが蓄積していきます。

結果としてボールがお皿の上の正常な位置で動かすことが出来なくなりまして、肩のコンディションはどんどん悪化していきます。

どうなるかというと…
・関節内の軟骨組織が干渉して炎症が起こって激痛
・関節を包む膜(関節包)や靭帯の柔軟性が低下(繊維化)して、強い痛みや動きの制限が
・周辺を包む筋肉が関節の動きに伴って、骨と骨の間に挟まって激痛(インピンジメント症候群)
・周辺を包む筋肉そのものに痛みを生じる

こんな状態が単一、または複数発生することで、あの辛ーい痛みを発生させるのです。。
何を隠そう、かつて私自身も辛い”刺す様な”肩の痛みに苦しめられた過去があります。今ではすっかり良くなりましたが、痛みの根本改善には炎症を鎮めるだけでは不十分で、『動きの改善』を行うことが必要不可欠でした。

頑固な肩の痛みを
本当に解消する方法

痛みの起点を解明する

かつての私もそうでしたが、『痛い所をどうにかする』という取り組みだけではなかなか根本的な改善には至ることができません。一見すると肩の痛みと直接的な関係が薄い印象受けるものもあり、『そんな事が?!』というところが痛みの起点となっているケースって少なくありません。

しかしこれらを解明することが、慢性痛解消のための最も近道となるはずです。なぜならば、慢性的な痛みは”良からぬ体の癖や習慣”が連鎖した結果であるためです。

たとえば、大きな川の流れを思い浮かべてみてください。
上流・中流・下流
もしも川の下流が汚れていたら、中流か上流で汚水が流れ込んでいることを疑いますよね。中流まで遡っても汚れていたらあとは上流か…といった具合に、汚染の原因を遡って疑うでしょう。下流でゴミを拾ったり浄水をしたとしても、上流で汚水が流れ続けていたらいつまで経っても川は綺麗になりません。

つまり、「肩痛の改善」=「川全体のお掃除と、川周辺の環境の正常化」です。痛みという不快感から解放されようとするとどうしても、痛いところに集中して”木を見て森を見ず”な状況になりがち。構造が複雑で繊細な肩のトラブルに対応するためには、”木を見つつ森も見よ”な取り組みがとても大切だと、トレーナー経験からも自身が痛めた経験からも強く感じます。

なかなか専門的な知識と経験が必要な取り組みとなりますので、お悩みの方は体の機能改善に強いトレーナーを訪ねてみてくださいね。痛みを取ることも大切ですが、併せて『体の使い方・動かし方の癖を整える』取り組みも必要不可欠なのです。

まとめ

慢性痛から解放された、明るい未来を

最後に、ご紹介した内容をおさらいしてきましょう。

ステップ1:まずはお医者さんに相談です
ステップ2:整形外科的な治療に及ばない場合は、トレーナーなどに原因を推測・特定をしてもらう
ステップ3:肩関節への負担が蓄積しない動き・体づくりに取り組みましょう

ご紹介した内容を実践すれば、あなたを苦しめている慢性痛から解放された、明るい未来が訪れるかも知れません。

人体のことはなかなか”確実に”と断言することが難しいのですが、『何をやってもダメでした。。』という様なお悩みをお持ちであれば一度こんなアプローチを試してみてはいかがでしょうか。

何を隠そう、私もかつては様々な痛みに苦しめられてきた過去があります。この記事でご紹介した方法で、今ではすっかり慢性痛とも卒業です。痛み無く暮らせる日々に感謝しつつ、そんな痛みに苦しまれている方に少しでも貢献できればと願っております。

【参考文献】
・北村清一郎 (著, 監修), 工藤慎太郎 (著, 編集), 安友正幸 (著), 岡部孝生 (著), 野口七恵 (著), 馬場麻人 (監修) (2021年4月) 運動療法その前に! 運動器の臨床解剖アトラス医学書院
・(2019年1月)プロメテウス 解剖学 コアアトラス第3版 医学書院
・工藤慎太郎(2012年5月)運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学 医学書院
・工藤慎太郎(2017年5月)運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略 医学書院



本記事で取り上げたお悩み事の個別相談はこちら
初回カウンセリング&体験

または簡易的ではありますが【無料オンラインカウンセリング】からも承っております。
無料オンラインカウンセリング