Blog
ブログ

【自律神経との上手なお付き合い】746

2022年9月13日

静岡市葵区・駿河区・清水区のパーソナルトレーニング

パーソナルトレーナーの堀航大です。

 

 

暫くの間栄養の話題が続きましたので、今日は少し神経学的なお話を。

 

現代をなるべく快適に生き抜く上で、『自律神経』への理解を深めておくことはとても大切だなあと日々感じています。

 

その影響は消化や睡眠の問題、日中の活動意欲や対人関係にまで及んでいます。

(それも我々の意識に及ばないうちに)

 

自律神経とは大きく分けて

・交感神経(アクセルの神経)

・副交感神経(ブレーキの神経)

に二分されると言われていますが、近年ではさらに副交感神経を二種類に分類する考え方が広がりを見せています。

(“ポリヴェーガル理論”と呼ばれていますので、気になる方はチェックしてみてください。)

 

①交感神経(興奮・緊張)

②腹側迷走神経複合体(安心・安全)

③背側迷走神経複合体(フリーズ・トラウマ)

※②③が従来の副交感神経

 

①はご存知の通り、ストレスへの闘争逃走反応を生み出します。

心拍数や血圧・血糖値が上がり、ストレッサーに対抗したりやる気が出る場面で活発になる神経系です。

 

聞き慣れない②はリラックスしている時にはたらく、従来の理解に近い休息の神経系。

この神経系は顔面の表情を支配する役割も持ちますので、人との関わり中でも積極的にはたらく必要があります。

『安心・安全』が感じられる様な人との関わりや空間の中で、その活動が刺激されると言われています。

 

そして③ですが、ここにハマり込んでしまうとなかなか厄介です。

『フリーズ・トラウマ』といった凍りつき反応を起こす神経系でして、爬虫類やネズミなどが天敵に襲われた際に”死んだふり”をしている様に見える反応がここに当たります。

①の交感神経が積極的に”脅威”と闘ったり逃れようとする反応を見せるのに対して、③の背側迷走神経は『活動を一時停止する』ことで危機が通り過ぎるのを待っている状態。

 

突発的な極めて高いストレスに直面した場面や、高度なストレスに長期間にわたって晒された結果として③が過度に働いた状態にハマり込んでしまいます。

 

・動かなければという意志に反して動けない。凍りつき。

・②の神経の働きが弱く、表情や表現力の欠如

・血圧の低下

・過剰な発汗

・朝起きられない

・吐き気

・意識が体と乖離する

 

①〜③の自律神経の中で、状況に応じて行ったり来たりできるのが、いわば健康の証でもあるのかと。

 

少し問題視してしまった③も、睡眠時などには必要なはたらきとなります。

①〜②の間で行き来しているのも問題ありなのですね。

 

ということで、あまり馴染みの無い『腹側迷走神経』と『背側迷走神経』についてご紹介してみました。

 

快適な毎日と人生の豊かさには『腹側迷走神経』が鍵を握る。

 

ちょっと大袈裟かも知れませんが、そんな気がしています。

つづく。。